そして僕は決意する……多分

32/54
前へ
/180ページ
次へ
「あれどうやって作ったんですか?」 「その辺は企業秘密だ」  ええー、教えてくれてもいいじゃないか。  自立型機械……面倒くさい。僕もゴーレムと呼ぼう。ゴーレムは対人戦闘向けにされているがいずれ日常生活でも見かけることになるかもしれないな。かなり高性能みたいだしその日を心待ちにしておくとしよう。  坂之上さんの娘は光剣片手にゴーレムの猛攻を耐え凌いでいる。対するゴーレムの手には片手どころか武器すら様々。光剣は勿論、銃を両手で持って遠慮無しに銃口を光らせたりしている。  他にも種類は豊富で、スナイパーから桐原みたいな肉弾戦を繰り出しているやつがいる。僕だったらウザすぎて訓練から逃げ出してしまいそうだ。ゴーレムも坂之上さんの娘には劣るが、中に人が入っていると勘違いしそうなほどに軽快な動きを見せる。機械である為に強度も申し分ないはずだ。 「想像よりもやりますね……簡単ではないですよ。“わざと”一体も倒さないでこれだけのゴーレムから避け続けるなんて……」  そう、わざと坂之上さんの娘はゴーレムを倒していない。途中から見た僕がそういう風に判断するのはおかしいかもしれないがそうでもない。もしゴーレムの一体でも倒せば機械の残骸が生まれる。しかし床には機械の部品と思われる物は飛散していない。 「……いつまで続けるんですか?」  まぁ、なんだ。確かに坂之上さんの娘が素晴らしい実力の持ち主であることは分かったが……正直飽きた。
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24287人が本棚に入れています
本棚に追加