そして僕は決意する……多分

36/54

24287人が本棚に入れています
本棚に追加
/180ページ
「しかし…………そういえばお父様。確か先程、私が結婚相手に求める最低基準を満たしていると申しましたね?」  ああ、そういえばそんなことを言っていたな。はて、一体何のことやら。 「勿論だとも。私は優衣に嘘なんて吐かないさ」  その言葉に僕は鳥肌が立ちました。 「ならば福野優介!!」 「何?」 「私と勝負しなさい!!」 「いいよ」 「逃げようとしてもそうはいき……え?いいんですの?」  だって坂之上さんとの取引があるし。当然それがなければ先程の問いはNOと答える。 「だけど今優衣は疲れてるでしょ?そんなハンデをもらった状態で勝っても嬉しくないからさ……また今度戦わない?いや、別に戦ってもいいんだよ。けどやっぱり正々堂々戦いたいとは思わない?優衣が戦いたいって言うなら僕は何も言わないけど、僕としては疲れていたから負けたとか言い訳なんて聞きたくないわけ。だからお互い納得する為には別の機会を待った方がいいと思うんだよね。勿論今日戦うというならば断らないよ、さっきも言ったし。それに男に二言はないから。まぁ、僕が言いたいことはつまり、よく考えてから戦うという選択肢を選んだ方が良いよ。けど結局は優衣の意志に従うけどね」  ここまで来ながら今更逃げ腰。だってさ、坂之上さんの娘がこんなに強いとは思わなかったんだよね。確かに四聖剣には劣っているかもしれないけど、今まで見た中で一番強い。同年代で抜きん出ていた真弥よりも上だ。
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24287人が本棚に入れています
本棚に追加