そして僕は決意する……多分

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 僕が出来ることの殆んどは優衣も可能。密度では勝る僕の光剣と優衣の細剣では僕のほうが有利。純粋な力勝負では、僕が有利。  そのことについては分かっていたのだろう。僕と同じ、もしかしたら僕以上に上手いかもしれない。完璧ともいえるタイミング、剣を受ける場所、力加減で袈裟切りを流しきった。  だが僕の攻撃はこれで終わりではない。片方には未だ拳銃が握られている。しかし落ち着いて狙う暇がない以上、撃てる回数は一度か二度。  鞭のように腕をしならせる。そうすることで銃口の先で軌道を読むことを難しくさせる。  腕を振るうと同時に拳銃の引き金を引く。銃弾の数は一つ、小さな凶器は優衣の胴体へ吸い込まれていった。僕の袈裟切りを流す際にあまり剣の位置は移動していなかった。  僅かに腕を動かすだけで銃弾が飛んでいく進路先へ剣を持っていくことが出来た。後の対処は簡単だ。そこに剣を置いているだけで、勝手に銃弾がやってきて勝手に切れていくのだから。  割かれた銃弾を尻目に二人は動く。腕を振るった時の力の流れを利用し、その場で急旋回。半周する際に右足で後ろ回し蹴りを繰り出す。  体重の軽い優衣は両手を使って受け止め、踏ん張りを効かせる。  女の子に蹴りを喰らわせようとするなんて、酷い奴がいたもんだ。  僕だった。  
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