そして僕は決意する……多分

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 ダメージは殆んど効いてないはずだ。もう一手攻撃をしたかったがやはり一筋縄ではいきそうにない。  防いでからの対応が速かった。防いでいた両手を引き、そのまま突きへと転じる。突きを主にする戦法か。あまり戦ったことがない種類だから厄介だな。    そもそも細剣自体中々見れるものでもない。たまにいるけどね、たまに。  鋭い一撃を敢えて受け、その勢いを殺さないことで一旦離れる為の貢献をさせた。ここで追い打ちを掛けられる可能性もあったがどうやら向こうも慌てて攻撃はしてこない。  そのまま攻撃の機会を窺っていると、僕から見て左、優衣からは右の遠方に拳銃が落ちた音が聞こえる。その音を皮切りに、再び精密で熾烈な戦いを始める。  剣を交差する時間は一瞬。それ以上無駄に時間を掛けることは隙を作ってしまうようなもの。防いでは防がれ、状況は防いでは防がれの繰り返し。  僕たちはずっと同じ場所に止(とど)まっているわけではなく、この広い空間を十分に生かし、縦横無尽に動き回っている。  たまに速さで上回り、後ろから攻めるがどうしても決定打を決めることが出来ない。でも焦ることはない。優衣が強くてもあの四聖剣の二人より劣っているのは明白な事実。  速さも力も僕の方が上。時折技術面で負けている点が出てくるが負けるほどではない。でも、はっきり言って経験で勝っている自信はなかったりする。  
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