そして僕は決意する……多分

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「結構疲れてきたんだけどそっちはどう?」  言葉を発するのは隙を生む機会と知ってはいるがそれでも言いたかった。しかし悲しいことに僕の発言は無視された。  僕の体の中心軸、正中線に合わせて細剣を突いてくる。上から下へ順に追って下がってくる三連撃。避けづらい場所故に光剣で対処するしかない。  上、中と狙ってきた攻撃を光剣で受けた。最後の一撃、下に対しては趣向を変える。下からの攻撃だけはこちらからも手を出すとしよう。  光剣で上から叩き潰すかのように振り下ろす。実際に叩き潰すことは叶わなかったが、ちゃんとした結果は出た。  光剣で細剣に上から衝突させた際、摩擦音が鳴り響いて甲高い音が響いた。僅かな抵抗を感じさせたと思いきや、最終的には問題なく光剣を振りぬく。  すると細剣の突きの軌道が大幅にずれ、最早突きとは言えなくなった。  僕の一撃の所為で体勢もやや崩れた優衣はすぐさま修正を行おうとする。隙とも言えない微妙な時間の間に少しでも距離を詰める。    剣を振るうのに適さない程近い。それは僕だけではなく優衣も同じ。純粋なる肉弾戦に持ち込めばこっちのものだ。  片方の手で剣を逆手に持ち、何も持っていない右手で右ストレートを繰り出す。顔に決めるぐらいの余裕があればいいのだが、的として小さい顔は当てづらい。というより、女性の顔を狙うのは以ての外。  以上のことから胸部を当てにいけばそれなりに命中率を上がるだろう。  
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