そして僕は決意する……多分

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 まともに受けるだけでも衝撃が伝わると判断した優衣。僕の腕を外側へ弾くようにしてやり過ごすことで最小限にダメージを抑える。  その動きを読んでいた僕は次の行動に移っていた。  僕の基本的な戦いは、相手の力を利用して自分の攻めに転じることが多いのが特徴。今までもそんな戦い方をしてきて、今回も例に洩れず実行する。  右腕を外側に弾かれた時に体も釣られるように動く。それを利用し、光剣を逆手で持っている状態でそのまま腕を振り上げた。殴ることが目的ではなく、光剣自体による攻撃が主だ。  しかしそれも腕を振り切ることが出来たらの話。僕の右腕を弾いた手でそれよりも早く前腕を掴んだ。その判断能力はやはり素晴らしいものだ。  優衣には純粋な握力があまり具わっていない。その為握られても痛くはないのは幸いだったのかもしれない。    でもまぁ、鍛えているだけのことはあって決して弱い方でない。さて、僕よりない優衣の筋力を信じてみるか。  両足を地面から離れさせる。空中で体勢を入れ替え、離した両足をそのまま優衣の元へ蹴り出す。優衣が僕の腕を掴んでくれたお陰で、空中での動きがやりやすかった。  もし掴んだ腕をでたらめに動かされでもしたら大変だったけど、そこは結果オーライ。そして僕の腕を受け止めたままの状態でいた所為で、逃げだすことも出来なかった。  だけどまともに蹴りを喰らってくれるはずもなく、細剣を盾にして直撃だけは避けられた。  
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