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エネルギーを銃弾に変換して銃口から出てくる際の独特の音を聞きながら銃弾の行く末を見つめる。
今の優衣に銃弾を切る余裕はない。精々避けることが精一杯だろう。僕の予想通りに優衣は避けることを選択。
だけど十分に回復しきっていない体力では満足に動けるはずもなく、不恰好に体を伏せることでなんとか銃弾は当たらずに済んだ。銃弾は優衣の元いた場所を通り過ぎ、そのまま直進して壁に当たると消えていった。
よく避けたと褒めてもいいけど、たった一発でこんなにも危うい。そして戦況は何も変わっていない。だからまだ安心できないことは優衣も十分に感じている。
とりあえず、だ。
「優衣、残念だけどもう諦めてくれ。僕と優衣との実力差は分かっただろ?いや、“分かっていた”だろ?」
無慈悲とも思える言葉を口にすることで現実を知らせる。
「……私(わたくし)は勝てそうだから戦う、勝てないなら戦わない。……そんな臆病者にはなりたくはありませんわ!!」
ああ、なるほどね。分かった分かった。その気持ちは理解は出来ないけど、言いたいことは分かった。それに勝てないと感じていたことを認めたな。
「出来る出来ないではなく、やることに意味があるってことだろ?結構そういった言葉を聞くけど、それって場合にもよるんじゃない?」
僕の勝手な考えだから必ずしも正解とは言えないけどね。ていうかそもそも何が正解で不正解なんか分からない。
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