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「やらなくて良い時とやらざるを得ない時は違う。今回の戦い……というか練習試合?これって別にやらなくても良かったんじゃないの?まぁ、引き受けた時点で僕がとやかく言う資格はないかもしれないけどさ」
「私は妥協なんてしませんわ。やるからには真剣に行います」
自分の意思を強調するかのように目を逸らさず、僕の方を目を見てくる。その目からは本気ということが伝わってくる。ここは出来る限り真面目に応じるべきかもしれないけど、生憎とそんなやる気は出てこない。
「まぁ、それが出来るなら何も言わないでおくよ。僕はそんな器用な人間ではないからね」
とりあえず無理矢理話の腰を折った。
「常に目先のことで手一杯なんだよ、優衣と違って僕はね」
ああ、別に嫌味で言っているわけではない。ただ純粋に思ったことを言っただけだ。
「だからまず目の前の問題を片付けることにする」
目の前の問題、これは勿論優衣との戦いのこと。僕の意図に気付いた優衣はすぐに立ち上がって戦闘態勢に入る。
さっさと片付けて学校の皆と合流したい。いつまでこんな所にいなければならないんだ、早く家に帰りたい。
銃を連射しながら走って近付いていく。先程まではたった一発の銃弾できつそうにしていた優衣も、話している間に多少体力が戻ったらしく、銃弾を対処している動きは悪くない。
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