そして僕は決意する……多分

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 互いに剣を左腰に構える。構えから次の動きを予想。その結果、僕と同じ水平に振るうつもりらしい。  僕達は高速で走って近付いていた所為もあって止まれない。まぁ、そもそも止まる気は無かったから少し違うか。その速さを維持したまま進むので、否応なく優衣と接触してしまう。  このままでは光剣と細剣は重なりあうことなく進み、先に辿り着いた方だけがダメージを与えるだろう。それでも僕は先に光剣を与えるだけの自信を持っていた。  その理由としては、いくら一撃に賭けたとしても当たらなければ意味がない。ただでさえ優衣は傷を負っているのに、銃弾を対処していた所為で体力が消耗している。  僕が有利になっている状態のまま、僕達は同時に剣を振り抜いた。  剣は予想通り絡み合うことなく進んだ。光剣と細剣は一瞬だけ交差する。その一瞬が過ぎ去ると、相手を倒そうさんと意志を表すかのように襲いかかった。    ―――背後で優衣が倒れた音がした。  まだ新しい記憶として、手には光剣で切った手ごたえが残っている。一撃を受けたことで体の負荷が限界を超え、優衣の脳は無理矢理休憩させる方法として気絶を選んだ。 『……お疲れ様。ゆっくり休んでくれ』  今までの出来事を見守っていた坂之上さんが終了の合図を出す。判決は下すまでもなく僕の勝ちだった。               
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