悪の組織 強襲 危機一髪

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 それから壁に寄りかかって座っていると坂之上さんがやって来た。 「私の我が儘に付き合ってくれてありがとう、優介君。もうすぐで集合時間の時刻だろう?優衣のことは気にしないで行ってくるといい。それとこれを」  そういえば僕は学校の行事で来たんだった。今まで忘れていたことを思い出し、ついでに集合時間が迫っていることに気付いて慌てる。  そんな僕に坂之上さんから傷付いた学生服の代わりとして新しい学生服を渡してきた。随分用意がいいな。これだけ用意周到だと、僕が気絶して集合時間に遅れそうでも適当に理由をでっち上げそうだな。  それはさておき、早く行かないと本当に間に合わなくなってしまう。学生服とお別れの意味を込めて軽く挨拶してから出口に向かう。あ、そうだそうだ。 「約束、忘れないで下さいよ」  念の為最後の確認をしてから訓練室を後にするのだった。  ……さて、一人で格好良く(?)出てきたのはいいが、ちゃんと戻れるか自信はない。僕の方向音痴スキルを踏まえても、そう簡単に達成する課題ではない。  お腹も痛いから走りたくない。やれやれ、厄介だねこれは。  ここからの話のことを言っても長くなるだけだから結論だけを述べよう。  坂之上さんの所へ戻って分かる道に出るまでついて来てもらった。ちなみに優衣は無事に医務室に送り届けられて一休みしているそうだ。出来れば僕も医務室で休みたかった。  
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