悪の組織 強襲 危機一髪

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「お前達で最後だぞ!!一体何をしていたんだ!!」  ようやく集合場所目前。既にそこには沢山の人が待機していた。少しでも速く着こうと必死に走っている僕達に向かって、引率の一人である澤谷先生の怒りの声が聞こえる。  これには海よりも深く、山よりも高い事情があるんですよ!!しかしまぁ、優衣と戦ったことは秘密である為、遅れた理由を話すことは出来ない。説教を回避できないと悟ってしまって気力が削がれる。  それは走る速さにも影響を受け、二番目に走っていた僕より後列の人達が速く行けと騒ぐ。だまらっしゃい!!お前達と違って俺は遊んでいたわけではないんだぞ!!  ああもう、忘れていた腹部への痛みが蘇ってきた。 「……正義……後は頼む」  返事を聞く前に走るのを止めて歩き始めた。一番前を走っていた正義は、僕の声に反応して立ち止まって後ろを向く。その間に洸を含めた三人が戸惑いながらも正義を追い抜く。 「なにやってんだよ!!」 「疲れた」 「疲れたってお前……ああもう!!背負ってやるから来い!!」  僕の顔色で判断したのか、今度は正義が僕の返事を聞く前に行動した。近付いて来ると荒々しく、そして無理矢理背中へと担いだ。 「世話を掛けるのー、爺さんや」 「そんな冗談が言えるならやっぱり走れ」  そう言いながらも降ろす気配は無かった。先程より目に見えて遅くなった足取りで集合場所に走っていく。懐かしいな、正義の背中。入学したばかりの時行った、勝者を背負って階段上り下り罰ゲーム以来だな。
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