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疲れで眠気が最大値にまで上昇している。それは僕だけに限らず、年甲斐もなくはしゃいだクラスメートは同じように眠たそうにしていた。ちらほらと寝ている人までいるが、今からその仲間入りをする。
というわけでお休みなさい。
†
長い長い時間を掛け、僕達の学校へ戻ってきた。帰りのバスでは睡眠しかしておらず、体調は回復したがなんとも暇な時間であった。
一番の心配でもあった説教はされずに済んだ。これで後を残すは帰りのホームルームだけとなった。本来あったはずの授業は全て社会科見学で潰れている。
バスが帰るのを先生立ち会いの元、クラスメート全員で見送った。そしてすぐさま教室に向かう。しかし、ホームルームの為だけにわざわざ校舎へ入るのは面倒くさい。外ですればいいのに。
「どうだったお前ら?有意義な時間は過ごせたか?」
澤谷先生が問い掛ける。そして返答の内容がバラバラでありながらもクラス全員が陽気に答える。『楽しかった』、『勉強になった』といった感想が多い中、僕だけはみんなと違う自信があった。
『死ぬかと思った……』
絶対にこれは僕だけしかいないだろ。正義の味方本部内で戦っていた生徒は僕しかいない。
本当、僕は何をしに行ったのだろうか。絶対社会科見学の意味がなかった。
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