悪の組織 強襲 危機一髪

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「うぉー、寒い!!寒い寒い寒い!!」  すっかり雪景色に染まった街。現在だからこうも白い景色をみることが出来るが、ここ一週間まともに雪が降っていなかった。  今では降っていなかったことが嘘のように、そしてまるで我慢していたのではないのかと錯覚するほど雪が降り注いでいる。雪が降るだけのことはあって気温も一段と低い。  そして追い打ちを掛けるように、リビングの暖房機器の電源が入っていなかったことに気付く。お陰で家の中で寒い思いをする羽目となっている。  いつもなら忘れずタイマーをセットしていて、起きる時間帯に合わせて自動で電源が付くようにしている。しかし昨日の僕は、どうせ今日みたいに寒くないだろうと安易な考えでそうしなかった。  まさかこんな急に気温が変わるとは思わなかった。怠ってしまった所為で寒いのなんの。体を擦りながらエアコンのリモコンを探し出し、急いで室内の温度を上げさせる。  こんなに寒いと朝食を作る気力すら湧いてこない。テレビでも見て暖まるのを待つとするか。  テレビを見るからに、どうやら正義の味方と悪の組織のことでニュースになっているようだった。やれやれ、冬の間くらいはお互い大人しくしていればいいのに。  正義の味方と悪の組織。  切っても切れないこの関係はいつまで続くのだろうか。
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