悪の組織 強襲 危機一髪

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 もうすぐで学校に着くという距離にまで来た時に、反対側の道路にある横断歩道に正義の姿が見えた。あちらは多分僕に気付いていない。    僕から先に話しかけても良かったけど、ここからだと少し遠くて大声を出さないと声が届きそうになかった。僕としては無駄な労力は避けたいところ。だから無視無視。  近付いていくにつれてバレる可能性が高まっていくのは流石に仕方ない。仕方ないのだが、正義から話しかけられた時、僕は小さく舌打ちをしてしまった。 「……俺なんか悪いことしたか?」 「いや、何もしてないよ。ただ正義の顔が見えたからつい……」 「顔か!!俺の顔が悪いのか!!舌打ちしてされてしまう顔が悪いのか!!」  正義のリアクションが無駄に過剰な所為で、持っていた傘に積もっていた雪が落ちていく。その雪が上手いこと正義に被害が及べば良かったのだが期待通りにはならなかった。 「とりあえず早く行こうよ。外は寒いから嫌だ」 「お前いつも俺に対して冷めてないか?」  何か後ろで言っている気がするけど気にしない。さぁ、レッツゴー。                        † 「おお、流石教室。暖かいな」  学校自体も外と比べて温度が高いのだが、やはり人が集まる場所は温度も一段と上だ。 
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