悪の組織 強襲 危機一髪

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「拓也達から見せてもらえるか心配だったから、他のグループのレポートを盗み見したんだけどさ……」 「……今の盗み見発言はスルーした方がいいのか?」  その通り。だから僕が拓也の言葉をスルーしておく。   「三人のレポートって、ちょっと変わってたよね」 「そ、そうか」  あれ?なんか……焦ってない?   「き、気の所為ではないんですか?」  ……二人とも嘘を吐けないタイプなんだろうな。ここら辺はやっぱり兄妹と言ったところか。非常に分かりやすいから面白い。 「まぁ、書き方は人それぞれだよね。あ、そうそう。ちゃんとレポートは全部写ししてないよ。あくまで参考にしただけだから、多分僕に見せたことは分からないと思うけど」  教師によってまちまちだが、大概レポートといった宿題は人から写したら駄目という決まりがある。もし見付かったりでもしたら、見せた人と写させてもらった二人が減点される場合がある。  写させてもらった人ならまだしも、見せた人にまで減点されるのは写させてもらった身としては悪い気分になる。きっと教師側としては、自分の力だけで宿題をさせようとしているんだな。  そういった心配りも僕としては迷惑でしかない。皆が皆自分の力で出来るとは思うなよ? 「そうかそうか。まぁ、その辺はあまり気にしてなかったんだけど、対策はしておいて損はないしな」
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