悪の組織 強襲 危機一髪

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 それからこれといって当たり障りのない会話をしたところで学校のチャイムが鳴った。元々話せる時間はあまり無かったけど、思いの外話せることができた。  チャイムが鳴ったのに席に着かないままでいたら、花梨に怒られてしまうことぐらい僕でも分かる。触らぬ神に祟りなしとも言うし、素直に自分の席へ戻ろう。 「なぁ、今日三年生の先輩達見てないけどどうしてだ?」 「確か前の僕達みたいに社会科見学じゃなかった?しかも泊まりがけだってさ。羨ましいよね、まるで遠足だよ」 「それを言うなら前の俺らも似たようなもんじゃなかったか?まぁ、泊まりではなかったけどよ」  ということは二年後には僕達も泊まり掛けで社会科見学を行うのか。一介の高校生身分である自分としては楽しみという気持ちが湧いてくる。  ただ、今すぐに出来ないことが残念といったところか。  まだ話し足りない気がするから話を続けようとするが、先生が来てしまったから一旦中止。本日のホームルームの始まりだ。 「お前らも知っているかもしれないが、今日は三年生がいない。上級生がいないからと言って羽目を外すなよ?」  どこの学校も先輩がいたら息苦しいものなんだよな。勿論頼り甲斐のある先輩もいるにはいるのだが、やはり少数派といったところか。  ホームルームの内容は三年生がいないことと最近悪の組織が活発だから気をつけろとのこと。すいやせん。
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