悪の組織 強襲 危機一髪

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「早いところ着替えに行こうぜ。また女子達に濡れ衣を掛けられてしまうからよ」 「それは自業自得じゃないの?確認もせずにいきなりドアを開けるから悪いんだよ」  まだ記憶に新しい二、三回前の体育の時間。男子と女子が着替えるために教室を分かれ、殆んどの男子が着替え終えた時のことだった。  突如正義がタオルを忘れたとほざき、僕達の教室へ向かっていった。正義を待っていようか廊下で悩んでいると、隣の教室から悲鳴が聞こえてきた。  最初は背を向けていたから何が起きたのか分からなかったけど、原因についてだけは振り返ってあっさり判明した。  正義が慌てふためきながら教室から出てくる。その表情は犯罪を犯した犯罪者そのもの。笑い飛ばそうとしたが、事態はそれだけに止まらなかった。  教室からありったけの物が飛び出してきた。恐らく悲鳴の主が物を投げているのだろうが、それにしたって多過ぎではないか? 「ちょっ、悪いって!!悪いって謝ってんだろ!!だから止めてくあぶなぁ!!」  飛んでくる物を掻い潜りながら弁明を続ける正義。さっさと逃げて後で謝ればいいと思うけど、生真面目にその場で謝っている。    まぁ、後で逃げようが立ち止まって謝ろうが噂が発生することは変えられないのだけれども。   ここまで来たら何が起きたのか分かった。タオルを忘れた正義が、女子が着替えているであろう僕達の教室へ入っていった。   男子の殆んどが着替え終えたから女子も似たような状況とでも正義は思ったのかな。ノックもせずいきなり戸を開けて、女子の着替え姿を見たことが容易に想像がつく。  全く、正義はドジで馬鹿だなぁ。  ……………………ん?    
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