悪の組織 強襲 危機一髪

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 影の数は二つ。進路方向は僕と同じで、顔はただ一方に向けている。こちらに気付いている様子は見受けられない。  そこで少しでも速く接触し、気付いてもらおうと走ったのがいけなかった。ある程度近づいて重大なことが判明したのだ。 「まさかこんなにも簡単に占拠出来るとは思わなかったな」 「まぁな。そこはやっぱりボスとあいつのお陰だろうよ。今回の仕事で一気に俺らの知名度も上がるってもんよ」  二人組の正体は悪の組織の方々でした(笑)  人が走りながら近付いるのにばれないわけがない。二人は後ろから来る僕の気配に気付くとすぐに振り向き、光粒子顕現装置に手を伸ばす。  そして僕が“ただの”学生だと認識すると、引き締めていた気持ちを緩めた。 「なんだ、学生か。もう正義の味方の連中が来たのかと思ったぜ」 「いや、正義の味方ということは当たっているだろう。ひよっ子だけどな」  人は自分より弱い者を見つけたら馬鹿にする生き物である。勿論全員がそういうわけではないが、そういった人が多いのも事実。  もし二人がそういう感性を持つ人だったとすれば、目の前に自分達より弱い学生が一人で佇んでいればどういう反応するか想像がつく。  自分達の言ったことが余程面白かったのか、隠す様子を見せずに大声で笑い出した。顔を識別をさせない為に仮面をしていても、僕を馬鹿にしていることが嫌でも感じる。  あれ?ここで一つ気になる点が出てきた。
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