悪の組織 強襲 危機一髪

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 こいつらがしている仮面に見覚えがなかった。考えてみるとこれはおかしい。少なくとも僕はダークリベンジの隊長をしているんだ。仮面についての種類ぐらいはある程度把握しているつもりだ。 「ええと、お前らの目的って何?というかそもそも誰?」 「あ?俺達のこと知らねーのか?ったく、こんなのが正義の味方になろうとしてるのかよ。笑えてくるぜ」  そう言いつつも笑う気配がないのは予想の範囲内といったところか。 「俺達は『Bloody Moon』。凶悪で、狡猾な、そして最強の――――悪の組織だ」  悪の組織とは何か――  それは社会に恨みを持つ者の集まり。  それは人々の畏怖を振りまく存在。  それは正義の味方の敵。 「ああ、そうか。なるほどなるほど。どうしてこんな簡単なことに気付かなかったんだろうな」  勝手に一人で納得している僕の姿に、よく分からないと言いたげな視線が突き刺さる。でもこういったことを一々気にしていたら疲れるだけだ。さっさと考えを纏めるとしよう。  ダークリベンジとは別の悪の組織を名乗る彼らBloody Moon。その言葉から一つだけ読み取れることがある。  それは、“悪の組織は複数存在している”ということだ。  
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