悪の組織 強襲 危機一髪

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 ダークリベンジという一つの悪の組織しか所属していなかった為に、悪の組織が複数あるといった考えに至ることは無かった。でも、よくよく考えてみるとそれも当たり前かもしれない。    悪の組織を簡単に言ってしまえば無法者の集まりだ。一般的な思考では、法を守らない奴は犯罪者、所謂悪人に分類してしまう。  ダークリベンジは別としても、他の悪の組織は一応『悪』という文字は入っている以上、それなりの悪人がいるんだろう。それでは悪人とは何か?  僕が思うに、自らの欲を得るためには手段を選ばない。もしくは人に害を為す存在を悪人と捉えている。  それを基準としてダークリベンジにいる人に当て嵌めてみると、ダークリベンジに悪人なんていない。そんな話を桐原としたことは記憶の中で新しい。いや、迷惑なことはしてるけどさ、悪人と聞かれたら違うと思う。  つまりだ。自分の欲を優先させる奴がすんなりと人の下につくだろうか?答えはNoだ。  そうした悪人は欲を満たす為の手足を欲しがる。だからといって真っ当な人間ではない自分の為に働く人間を探すことは容易ではない。  そうして考え抜いて導いた答え。ならば『悪の組織を作ればいいではないか……』。確かにそうすれば欲を満たそうとする考えを持つ輩が集まり、多少手足を集めやすくもなる。  きっとこうやって悪の組織は出来ていったのだろう。僕が言える身分ではないが、はた迷惑な話だよ。        
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