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「俺の聞き間違いじゃなかったら、それはまるで俺達を倒せると言っているように聞こえたんだが?」
どうやらの僕の発言が彼らの怒りに触れたらしい。いやまぁ、分かってて言ったんだけど。
「何やら調子に乗っているように見受けられるな」
「全くだぜ。これはやっぱり痛い目に合わせる必要が出てきたぜ」
二人して光粒子顕現装置……柄を取り出し、起動言語と共に光剣を復元させた。見た感じでは不明だが、きっと学生用とは違って切れ味は保証されているだろう。
「まだ殺しは禁止されているからな。手足の一本ぐらいで勘弁してやるよ。切られるといてぇーぞ?」
恐怖心を煽っているつもりなのかもしれないけど、生憎と切られた経験は両手では足りない。今更恐怖に負けることはない。だからそのにやけた表情で僕を見てくるな。
「ああ、もう喋らなくていいよ。どうせお前たちの仲間がいるだろうからそいつらに聞くことにするから」
堪忍袋の緒が切れた二人。僕を切る順番を争わんと云わんばかりに、怒気を隠す様子も見せず一斉に駆け出す。すぐに詰まった距離。片方が振り上げ、片方が光剣を振り下げる。
自分達で言うだけあって動き自体は悪くないな。
しかしこいつらは気付いていない。光剣が届く距離ならば、歩幅約一歩分を詰めるだけで十分僕も攻撃範囲に入れることが出来ることを。
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