悪の組織 強襲 危機一髪

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 今度こそ言葉発さぬ骸……もとい気絶した二人。この場に留まる理由もない以上、立ち去らせてもらう。さて、今度は爆弾を探すように動いて回るか。  爆弾の在り処なんて無理矢理吐かせばいいだけのこと。こいつらは口を割らなかったから確実性に乏しいけど、一人ぐらいはうっかり教えてくれるやつもいるだろう。  あ、そうだ。折角だから試しておきたいことがあるんだった。  気絶したことで彼らの手から零れ落ちている光粒子顕現装置を拾う。今は大人しく刀身が収まっているけれど、いざ起動言語を読み取ったら一気に命を刈り取る武器となる。  本来ならば特定の人物しか反応しないように出来ているわけだけど……こいつらは見た感じ下っ端だからな。  ダークリベンジでも採用されていることでもあるけれど、下級戦闘員の光粒子顕現装置を設定する際に、起動言語の持ち主は特定の者としないケースが多い。  これは簡単にメンテナンスが面倒くさいからだ。うん、当然とも言えるな。  一人一人の情報を管理するのだって楽ではない。むしろダークリベンジにいる人数から考えても非常に大変ということが分かる。  以上のことから、今この手にある光粒子顕現装置は―――― 「復元」  ……やっぱりだ。  半透明で青白い刀身が柄から現れた。予想が当たったことに思わず頬を緩める。  そうだそうだ。ついでにあれも出来るか試してみよう。他人が見たら気持ち悪いと思われるぐらいの笑顔で気絶した二人へ視線を向けた。  いや、後から思うと気持ち悪い顔だったんだな。
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