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† 拓也視点 †
「ふふふ、無様な格好だな」
そういって不敵な笑みを浮かべる仮面をつけている男。恐らく敵のリーダーであろうこの人物を男と判断したのかは簡単で、発せられた低い声によるものだ。
「貴様達の目的はなんだ。どうしてこんなことをしている」
学校側の代表として校長先生が当然ともいえる疑問をぶつける。初対面から恐怖を与えていた強面の顔が、怒りによってより一層強みを増していた。
「目的……ね。黙っていてもいいが、君達はもう関係者だからね。教えてといてあげよう」
キザったらしいその口回しに苛立ちが募る。今すぐにでもその顔をぶん殴ってストレスを発散してやりたいが、実際にはできそうにはない。
今現在、先生生徒全員に手錠を掛けられている。よくこれだけの数を用意できたと褒めてやりたいと皮肉をぶつけたい気持ちもあるけれど、掛けられている身としては厄介な物でしかない。
手錠の中には超能力を封じさせる代物があると上司から聞いたことがあった。先程試しに発動してみたが、難なく超能力は使えたことに安堵した。
その気になれば手錠を破壊することも不可能ではない。不可能ではないが、破壊した後のことを考えるとどうしても出来ない。
「我々の目的は、捕らえられている同志の解放だ」
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