悪の組織 強襲 危機一髪

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「今この場にいない者の心配はしなくていい。他の場所で管理しているからな。君達は大人しく拘束されていれば構わないさ。そうすれば危害も加えない」 「それを証明するものはあるのか?」 「そう言うと思っていたよ。確認する手段は当然持ち合わせているが、我々がそうしなければならない理由があるわけでもあるまい。よって、証明はしないものとする」  ふざけた野郎だ。一人だけ装飾を付けた派手な格好をしているだけあって、自分に酔いしれている発言が多い。これは自己満足の為に悪の組織にいる典型的なタイプだな。 「……お?ここにいたか。探したぜ」  またしても背後から声がかかる。しかし今度は玲奈と次郎のどちらでも無かった。 「正義か!?」  大声を出せない状況である為、必死に声を抑え込んで驚きの声を上げた。どうして正義がここに。いや、ありえないことではないが、さっきまで周囲にはいなかった。  移動してきたんだろうが、よくばれなかったな。少し凄いと尊敬してしまったぞ。 「全く、芋虫みたいに這いつくばりながら移動とはな。お前らしい無様な格好だったがいい考えだな」 「あ、あはは。私達もそれで移動してきたんですけどね」 「……簡単だった」 「あんた達もっと静かにしなさいよ。ばれたら洒落にならないのよ?」  新たに現れたのは正義一人ではなかった。優介を通じて知り合った別のクラスの洸や詩織、そして同じクラスの梨花さん、そして花梨さんまでいた。
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