24287人が本棚に入れています
本棚に追加
/180ページ
ホームルームが始まる直前になっても石動兄妹は中々来ない。
何かあったんだろうか。
それとも単なる寝坊か。
真実はまだ分からないけど僕が二人を心配することはない。
何故なら僕は悪の組織の人間だから。
呆気ないけどその一言で解決してしまう。
悪の組織にいると明らかになったら、世間や知らない人はおろか友達までも僕を非難するかもしれない。
もしそうなれば……いや、考えるのは止めよう。
こんなネガティブなことを考えても仕方ない。
思考を止めた途端、学校内にチャイムが鳴り響く。
思いの外考えに集中していたようだ。
一分も経たない内にドスンドスンと廊下から足音が聞こえてきた。
これは比喩的表現であって実際にはこんな酷くない。
力強く教室の扉を開けて入って来たのはやっぱり澤谷先生だった。
相変わらずむっさい顔してるな。
実はゴリラかチンパンジーと仲が良いのでは?
種族を越えた友情……痺れるね。
「ん?石動兄妹の姿が見当たらないが一体どうした?誰か何か聞いている奴はいないのか」
澤谷先生も石動兄妹の行動は把握していないみたいだ。
一人ならまだしも二人がいないのはおかしい。
これはいよいよ事件か何かに巻き込まれたかな。オラわくわくすっぞ。
最初のコメントを投稿しよう!