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「私と兄さんがラブラブだなんて……そんな当たり前のことを言われたら照れてしまいます」
誰一人そんな言葉を発していないのに赤く染まった頬に手を当ててくねくねと踊る玲奈。
その様子を見て僕は引いて次郎は嘆息、正義は深い眠りに入っている。
「こら玲奈、そんなこと誰も言っていないぞ」
意識が異次元へトリップしている玲奈に軽くデコピンをして正気に戻す。
元に戻ると玲奈は恥ずかしそうに辺りを見渡し始めた。
僕を含めた何人かと目が合うとコホン、と小さく咳をして誤魔化した。
それでも耳が真っ赤なので恥ずかしがっているのは一目瞭然。
「すみません兄さん」
シュンと項垂れた玲奈。
もしこの時猫耳なるものが玲奈に存在していたら最高に合っていただろう。
猫耳が垂れている玲奈。
きっと可愛いだろう。
「気にするな。お前は俺のたった一人の妹なんだ、何があろうともお前の味方だ」
「兄さん……」
場違いなのに地味に格好良いこと言っているが、今は授業中だということに気付いてもらいたい。
場所が場所だけに、変なことをほざいている奴にしか見えないのはしょうがないと思う。
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