24287人が本棚に入れています
本棚に追加
/180ページ
｢大丈夫か？優介？｣
玲奈から呼ばれたからか、それとも僕の容態を気にしてか拓哉が近くに寄ってきた。
その手には濡れたハンカチ。
どうやら後者寄りのようだ。
拓哉は濡れたハンカチを僕の額に丁寧に乗せる。
濡れているのでひんやりしていて気持ちが良い。
しかし気持ちは嬉しいけど僕が決して熱が出ていないことは体調の具合からして分かる。
だからはっきり言ってハンカチはいらないけれど今回は好意に甘えるとしよう。
｢大丈夫だけど……一体何なんだこれは？｣
とりあえず詩織、さっきから頬をプニプニしているのはやめてくれ。
嫌ではないけど皆に見られていたら恥ずかしい。
｢それは―――｣
｢やっと起きたの？｣
あ、花梨。おはよう。
｢花梨おはよう｣
｢おはようじゃないわよ。どれだけ寝ていれば気が済むのよ｣
はて、僕はどれだけの時間寝ていたんだ？
近くにいた玲奈、詩織、拓哉の三人に聞いてみたら三十分気絶していたらしい。
三十分って微妙だな。
そんなに長くはないと思うけど……ん？気絶？
最初のコメントを投稿しよう！