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生存者が自らの分身達を死なさない為に必死でルーレットを回している姿を尻目に、僕達脱落者同士は呑気に会話をしていた。
「しかしこんなもんよう買ったな。作った会社がおかしいけど買う方も買う方や。なんや死ぬ人生ゲームって」
「だから人災ゲームって言っているのに。でも変わってて面白いでしょ?」
変わりすぎて寧ろ変、と詩織が小さく呟く。
どうやら死んだことをまだ気にしているらしく、少し拗ねているようだ。
そして詩織だけが欲しいと言ったストローを使いながらお茶を飲んでいる。
ストローを使っている所為もあるかもしれないが減っていくスピードが遅い。
「そうやそうや、変過ぎや。死んだ原因とかわざとらしいわ。ワイのなんかあれやぞ。真夏日を超えた炎天下な日に町を歩き回り、休憩のつもりで入った喫茶店の冷房が低すぎて元々心臓が弱かったプレイヤーが心臓発作を起こしてしまったことにより死亡……」
言葉が後になればなる程声に抑揚がなくなり、次郎自身も顔を俯いていく。
そして一瞬の間。
「人災ですらねぇじゃないかぁぁぁぁぁぁぁああ!!」
関西弁を話すというキャラ作りも忘れて吠えた。
それを指摘しようか悩んだが、とりあえずうるさい。
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