季節の変わり目は体調に注意

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「だからどうしても食べたいと思うなら買い出しぐらいは行ってきてよ」 「それぐらいならいいぜ。次郎、一緒に行くぞ」 「ええー、拓哉一人で行ってき「来なければ殺す」なって言うのは可哀想やからワイも行ってやるわ」 上下関係が露になった光景を見た瞬間でもあったが、半ば予想通りだったので大して面白くなかった。 そんなことより下準備だけでもしておこう。 電話機の隣に佇んでいたメモ帳から一枚抜き取り、ご飯に必要な物をメモ用紙に記していく。 小さかった紙はすぐに文字で埋まる。 それでも書かなければならない分は出来たので問題ない。 「あまり遅くならないようにね。自転車使ってもいいよ」 しかし自転車は一台しかないから取り合いになる可能性がある。 先程のやり取りを思い出すに、恐らく拓哉が自転車を使うだろうな。 二人共使わないならこれは単なる僕の想像で終わってしまう。 扉を開けて玄関へ向かう二人の姿は次郎が閉めた扉によって見えなくなった。 それでも足音は扉越しでも十分聞こえる。 玄関から出ていったことを耳で確認する。 さて、僕は僕でやることをしよう。 ええと、まずは米でも研いでおこうかな。 炊き上がる頃には前に帰ってくると嬉しいけど期待はしない方がいい。
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