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……何故だ。
一体何があったんだ。
頭でいくら否定しようとも、現実がそうはいかせないといわんばかりに目の前の光景は変わる気配がない。
本当にどうしてだ?
理解できない。
だけど受け止めよう、この有り様を……
現実を見るんだ。決して目を剃らすな。
……今僕の目の前には重病患者が複数存在している。
「はぁ……。全く、何が料理上達しただよ。殺傷能力だけが上がっているじゃないか」
『見た目』は相変わらず美味しそうだったのにみんなが一口食べただけでこれだ。
皿にはハンバーグやカレーライスといった誰もが好物と捉えてもいい品ばかり。
結構重い食べ物ばかりだけどおいしいから気にしない。
食べた形跡があるそれらだけど一つだけ量が減っていない物がある。
まぁ、花梨の作った肉じゃがである。
やっぱり一人一品なんてことしなければ良かった。
何がどうしたのか分からないが花梨が料理対決しようだの言い出してあれよあれよという間に決まっていた。
玲奈の作ったカレーライス、詩織のハンバーグ、そして僕のオムライス。
一品でも量がある料理だがここは頭を使った。
一つずつ大皿に乗せてみんなで食べきる作戦。
これが仇となった。
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