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わざわざ毒味役を名乗り出たのに(多分前回の花梨の料理で耐性がついているはずだから)どうやら花梨の怒りを買ったらしく、ボコボコにされた。
その間にみんな旨い旨いと料理に箸を伸ばし続け、そして花梨の肉じゃがを口にした途端ゾンビ化した。
違った倒れた。
驚いたのは僕以上に花梨であり、自らの料理を恐る恐る食べた。
その結果作り主である花梨もゾンビの仲間入りをした。
その時は流石の僕もツッコミを入れたね。
まるで人災ゲームを実際に体験しているように感じる。
ははは、震えが止まらない。
花梨の料理食べなくて良かったと心から思ってしまう。
ごめんね花梨。
花梨の料理食べるとか言ってたけど……人の意志は考えているより弱いんだ。
この歳でもう悟りを開いてしまった。
「…………やっぱり起こさないといけないよなぁー」
でも体調のこともあるだろうから後回し。
それより先に料理を片付けよう。
キッチンにある収納スペースからサランラップを取り出して一つ一つ巻いていく。
肉じゃがも……食べないと作ってくれた花梨に悪いから同じように巻き、全ての料理を冷蔵庫で保存。
「さて……と、これ以上遅くなったら親が心配するだろうし起こして帰らせるか」
時刻はもう八時を過ぎていた。
いやはや、時が経つのは早い。
呑気に寝ている……もとい、青白く顔をしながら気絶しているみんなを起こす為にゆっくりと歩を進めた。
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