僕は友達が少……多い方だ

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 扉の前に人はいなかった……なんて小学生の考えるピンポンダッシュでもないのにそんなことが起きるわけもなく、いたのは面識がない一人の少女。  その少女に見覚えがないから面識がないと言い切れる自信はかなりある。  どこからそんな根拠もなさそうな自信が溢れ出てくるかというのは簡単で、こんな可愛い子と面識があるならば忘れるわけがない。  「ええと、どちら様でしょうか?」  いつまでも相手の顔を見ていたら失礼なので話を切り出す。 「キミが……優介君?」 「ん?そうだけど……」  少女は突然僕の目の前に詰め寄り、ジッと僕のことを見上げなから睨む。  睨まれても全然恐くなくてむしろその仕草が可愛いとすら思った。 「福野優介……ボクと戦え!!」  こらこら、人に指を指してはいけませんと習わなかったのか?  僕は気にしないけどそれで不愉快な気持ちになる人もいるんだぞ。  そして答えも当然――― 「嫌だけど」 「ええ!?断るの早くない!?じゃなくて、いいからボクと戦え!!」 「なんで僕が名前も知らない面識もない君と戦わなければならないの。じゃあね」  話を終わらせて扉を閉めようとしたが突然扉が動かなくなる。  よく見たら彼女が足を間に挟ませて扉を閉めなくさせていた。 「うるさい!!ボクが知っているからそれでいいんだ。つべこべ言わず来てよ」  ドアノブに手を掛けていた右手を掴まれ、引き摺るように連れ去られる。  誰かー助けてー。
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