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「いくよ」
彼女は流れるように両腰に備えてあった剣帯から柄を二つ取り出す。
しかしすぐに復元させることはせず、見せ付けるかのように一度手で柄を巧みに回す。
そして回し終えたと同士に縦同士繋ぎ合わせ、新たに一つの柄として作り出した。
これには僕も驚いたが彼女は動きを止める気配は見せず、いつの間に持っていたのか第三の柄(最初の柄とは形状が違っているので多分普通のとは使用法が違う)を今度は横にし、丁度真ん中辺りに空いていた窪みに先程合体させていた柄を嵌め込む。
三つの柄を用いることで出来上がった柄。
大きさも長さも一つの柄より当然上。
巨大な柄を構えながら彼女は淡々と発する。
復元―――
復元と唱えると柄から光剣として刃が現れる……前に彼女は動く。
いや、それは正しくは少し違う。
『復元』と言い終わるか否や行動に移していた。
巨大な柄から生まれた剣は等しく巨大。
大剣をその手にしていた。
一つの柄では剣として体積に限りがあるがそれを補う為の数。
三つを要することで理論上難しいとされていた大剣を作り出すことに成功した……ってところかな。
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