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「いい加減当たってよ!!」
「危ないから嫌だ」
その内大剣だけではなく体術も組み合わせてきた。大剣だけならば何の問題は無かったけど、体術を組み合わせてきた所為で避けることの難易度が上がる。
大剣を振るったと思えば距離を詰めて拳や脚を使って襲ってくる。臨機応変に変えてくるから色々やりづらい。
僕が剣を使ったのは最初の一撃だけ。その後は全て避けることで使ってこなかったけど、もうそろそろ良いだろう。
彼女の猛攻で少しずつ後方へ追い詰められてついには壁が背中越しに伝わるほどまでに。
これ以上下がれないことを察した彼女は笑みを浮かべ自慢の大剣を横にして突きを放つ。そうくることは彼女の構えから予想していたから冷静に対処出来る。大剣の腹の部分を素手で叩き上げて軌道をずらした。
それから流れるように懐に入り連結してある柄の一つ、横の部分になっている柄を目掛けて斬り上げる。振り切った後その柄に切れ目が現れ、音もなく柄としての役割を終わらした。
その早業に彼女が息を呑んで驚いているのが分かった。
柄の機能が一つ無くなると大剣にも動きが見られた。幅広くて長かった大剣の幅が狭まり全体的に縮小する。
「……中々やるね」
機能が果たせない柄は邪魔でしかない。取り除いて破棄すると残る二つとなった状態でも立ち向かってくる気配を漂わせる。
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