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「おおお姉ちゃん、優介君が言ったことはその―――」
照れ隠しに誤魔化そうとしたが綾さんの前では為すすべもなく一蹴される。
『お前が私のことを思って動いていたのは嬉しいがもう少し考えろ』
「あうう」
恥ずかしさで顔全体が真っ赤になる真弥。
「それにしてもハッキングって犯罪ですよね」
『はっ、悪の組織に入っている奴が文句なんて言えるか』
「それにしてもどこから音が出ているんですか?スピーカーらしき物は無いですけど」
『お前が思っているよりここの設備は良いんだ。それに声は届いているんだからどうでもいいだろうそんなことは。とりあえずさっさと来い』
段々声に苛つきが混ざっている気がする。とにかくこれ以上待たせると大変な目に遭いそう。真弥もそれは分かっているらしく、目を通じての意思の疎通が可能だった。僕達は諦めが肝心だと悟る。
この部屋から出る為に必要な手続きを真弥に押し付けて外で待機する。ここに連れてきたのは真弥なのだからこれぐらいはしてもらわないと。
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