僕は友達が少……多い方だ

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 綾さんの部屋に入っての第一声は怒声。 「遅い!!私が呼んだら五分以内に来い。このボケが!!」 「無理がありますよ。十分で来た僕達を褒めてほしいぐらいなんですから」 「そんなこと知らん」  椅子にふんぞり返る綾さんを見てて言うだけ無駄なんだなーと諦めた。机には一台のパソコンが見える。綾さんの体でよく見えないが少し体をずらして覗いてみる。チラッと見えただけだが小難しい物が書いてあった。  ごめん、見栄を張った。全く分からなかった。あんな物一つも理解出来ない。 「それでお姉ちゃん。ボク達に一体何の用なの?」 「用?……そうだそうだ思い出した、危うく忘れるところだった。あー、晴れてお前らは私の直属の部下になったわけだが、一々『直属の部下』というのも面倒くさい。というわけで、だ。お前ら名前考えろ」 「ごめんなさい綾さん。おっしゃっている意味が分からないです」  いつも思うことだが綾さんは少し説明が足りない節がある。多分面倒くさいから要所だけ伝えているのだろうけど、もう少し頑張ってほしい。  しかしこれは本人には言わない。言えるわけがない。恐いという理由もあるが一番は……綾さんと共感出来るから。面倒くさいという気持ちが僕にも同じように理解出来る。
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