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「んもう、優介君はそういうことに興味があるの?」
「……そういうことって?」
悪いけどまだ痛いから話しづらい。だから声を出すこともキツい。
「そのー、ファンクラブ……とか。それに恋華……さんのこととか……知ってるの?」
「知らない。けどファンクラブがあるぐらいだから綺麗な人なんだろうなー、って思った」
「ふん、ガキめ」
それにしても僕が攻撃された理由が分からないままだ。聞いたら正直に教えてくれるかな。
「残念だがお前があのくそ女の直属の部下になれることはない」
くそ女?多分恋華って人のことかな。同じ幹部だし面識があってもおかしくない。だけど僕は隊長という立場になっても名前を聞いたことがない。だから顔はおろか僕より歳上なのかすら不明。十中八九歳上だと思うけどやっぱり綺麗な人だといいな。
それにしても、だ。
「どうして僕は入れないんですか!?」
「そんな必死な表情でこっちに寄るな。……そのファンクラブは女しか入れない」
なん……だと……
「どれだけ入りたいんだお前は。泣きそうな顔でこっちを向くな」
夢ぐらい見たっていいじゃない。男の子だもの。
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