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「それで名前はどうするの?早いとこ決めておこうよ」
「名前にこだわっても意味ないって。この際『ああああ』で十分」
「ボクはそんな名前嫌だな……。恥ずかしいし」
「真弥、お前が決めろ。こいつに聞いても意味はない」
「ええ、ボク!?……それを決める前にお姉ちゃん、お願いしたいことがあるんだけど……」
「なんだ?」
真弥は目を閉じ軽く深呼吸して心を落ち着かる。拳を握り締め自らを鼓舞したことを僕は見逃さなかった。それだけ本気ということか。
「もう、直属の部下を作らないで欲しいんだ」
「分かった」
「……つまらないお願いだな」
何を思ったのか真弥は、これ以上直属の部下を増やしてほしくないと綾さんに頼んだ。いや、別に頼むのは別にいい。むしろそれが普通だと感じる。
何故なら唯一の直属の部下である僕に戦いを挑むぐらいだ。姉好きの真弥が嫉妬することは身を持って体験している。
ただ、あれほど勇気を振り絞ってお願いすることではないと思う。それこそ姉妹だから気軽に「部下作るのやめて」と一言口に出せばいいだろう。
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