24287人が本棚に入れています
本棚に追加
それからもたわいもない話を続けていると僕達の会話に混ざってくる者が現れた。というより乱入してきた。
「ったく、うるさいなお前ら。少しは周りのことも考えろ」
「あれ?この聞き覚えのある声って確か……桐原?」
後ろの辺りから声がしてから振り向いて見ると、案の定桐原の姿がある。偶然鉢合わせた桐原の手には軽い食べ物と飲み物。
あっち(桐原)は僕のことを気付いていたらしく普通の表情だが僕は普通に驚いた顔をしている。
「なんだその腑抜けた顔?とりあえず俺もそこに座るから詰めてくれ」
交渉の余地無しと行動で示して無理矢理僕の席へ詰め寄ってくる。桐原の言う通り腑抜けた顔になっている僕は、流れに逆らうことを考え付かず成すがままに席を奪われた。
「………………はっ。い、いきなりなんだよ」
「いいじゃねーか。肩を並べた仲だし気にすんな」
「そんなこと忘れた。何の用?」
「相変わらずお前年上にため口かよ。いや、これといって用はないんだが偶然ガラス越しからお前の姿が見えて、暇だしちょっかいを出そうと思っただけだ」
こんな奴に敬語は使いたくない。普段はちゃんと年上には敬語を使っている。綾さんとか。断じて恐いわけではない。
最初のコメントを投稿しよう!