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「こうして会ったのは何かの縁だ。楽しもうぜ」
僕にとっては『会う』ではなくて『遭う』だ。そこのところ察してほしい。
「優介君、この人は?」
「ん?初めてみるが優介の彼女か」
先程言った僕の失言を思い出しのか、真弥の顔が真っ赤になる。結構な頻度で顔が真っ赤になっていると思うのは気の所為ではないな。全く、純粋(うぶ)な奴め。
落ち着くまでに少し時間が掛かったがそこは大目に見てあげよう。
「ち、違うよ。ボクと優介君は同じ直属の部下なんだよ」
「直属の部下?ああ、幹部達のあの制度か」
心当たりがあるのか納得した様子の桐原。しかし内心つまらないなー、とか思っていそうな顔だ。
それから僕を仲介として軽く自己紹介を二人でしてもらった。
「誰の直属とは聞かねーよ。むしろ誰にも言うなよ?本来直属の部下って俺に言うのも駄目なんだからな」
「え?そうなの?」
全然知らなかった。
「知らないのか?普通そう教えられているはずなんだが……」
まぁ、あの綾さんだ。面倒だから言わなかったと思うけど。
「それにしても桐原詳しいな。……もしかしてお前もそうなのか?」
「はは、残念ながらお前の考え付いたことは不正解だ。俺は他の奴より悪の組織について詳しいだけど」
てっきり桐原も誰かの直属の部下だと思ったがどうやら違ったようだ。
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