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「詳しいなら何か教えてよ。ここ(悪の組織)のことについて」
お、真弥も興味津々みたいだな。
「んー、まぁいいか。一応言っておくが俺は全部を知っているわけじゃないからな」
いいから早く話してくれ。
「なぁ、優介」
「何?」
「お前、いつからここにいる?」
どうしてそんなプライベートな部分について話さなければならないのかと思ったが、話をするには必要みたいだな。少し濁して言うか。
「それなりに経っているな」
「そうか。なら聞くが、お前は悪の組織内部で悪い奴を見た時あるか?」
「悪い奴?悪い奴もなにも、僕達は悪の組織の人間だから悪者じゃないか」
「違う違う。お前個人の話だ」
僕個人の話?確かにここへ来てから関わりを持った人もいる。その中でムカついた奴とか良い人とかもいた。だけどムカつくと悪いは別物として分けて考える。
そうして考えてみると……
「いないな……」
そう、いない。悪の組織でありながら僕は悪い奴を“一度も”見ていない。意外な事実に僕は驚愕を隠せない。
僕だけではなく真弥もそういった人物知らないという。これは……偶然なのか?そうだとしても確率は低そうだ。
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