僕は友達が少……多い方だ

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「はぁ……」  今日は色んなことがあった。今はもう風呂から出てきて布団で寝そべっている。部屋は既にストーブの効果で十分温まっている。  天井を見上げながら今日のことを思い出す。一番印象に残っているのはやはり桐原が教えてくれた悪の組織の秘密。  意外過ぎる内容に驚きはしたがあの場で取り乱すことはなかった。だけどこうして一人っきりになり冷静に考えてみると、それはとんでもない事実だったんだなと思う。  それに桐原のあの時見せたあの目。あれについても気になってしまっていた。物事に集中するように毛布を頭から被り目を閉じる。  あの目は過去にも見た時があった。それは他でもない僕自身のことではあったので今でも鮮明に覚えている。  あれは……大切な人を亡くした目だ。桐原は言いたくないのも頷ける。僕も両親が死んで間もない時はあんな感じだった。……桐原の前でもうあの話はしない方がいいのかもしれないな。僕も蒸し返されて良い気持ちにはならないしな。  それにしてもなんだか眠たくなってきた。今日はもう寝よう。また明日学校だ。
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