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「今思ったんだけどさ」
「うん」
「私達ってお互いの名前知らないよね」
そういえばそうだ。いつも『君』だの『ねぇ』だので呼び合っていた。
「なら自己紹介でもする?」
「そうしよう。君からお願い」
嬉しそうに賛同すると僕が先にするよう言ってきた。別に断る理由もないしお言葉に甘えてそうさせてもらう。
「僕、優介。君は?」
なんとも簡単な自己紹介。だけど僕には名前を言う以外に何も思い付かなかった。
「私の名前は……アリア」
「ありあ?へぇー、やっぱり外国人だったんだ」
「半分正解。私ハーフなの」
「ハーフ?」
ハーフと言われても全く意味が分からなかった。僕は英語なんて分からないし理解するつもりもない。
「パパが日本人でママが外国の人ってこと」
ああ、そういうことか。大して興味は湧かなかった。
「私が半分しか日本人じゃないってことに驚いた?」
「全然。僕が知りたかったのはアリアの名前だったから」
僕の答えに驚いて目を丸くするアリア。一体何に驚いたのだろうか。
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