僕は友達が少……多い方だ

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「何回も世界を憎んだ、壊そうとした。何度も父さんと母さんの後を追おうとした。だけど無理だった。僕には世界を壊す力も無かったし死ぬ勇気も無かった」  僕は無力で臆病者。自分自身嘲笑いたくなる。 「僕は生きていくことに執着していなかった。自殺をする勇気はなかったけど、死ぬことに恐怖はなかった。だけど今はあんまり死にたくないって思ってる。アリアと友達になれたことからね」  そう締め括るとアリアは顔を真っ赤にしながら照れていた。 「んもう、そんなこと言われたら照れるよ」  漕ぐ力を抜いてブランコが自然に落ち着くのを待った。アリアは照れているけど、僕の方はかなり恥ずかしいからね。 「アリア……これからも僕と友達でいてくれる?」  恐る恐る聞いてみたが否定された時のことを考えるとアリアの返事を聞きたくなかった。そんな僕の心配は杞憂で終わりアリアは快く了承してくれた。  宙へ舞い上がるかのように嬉しかった。夢ではないかと疑ったぐらい。然り気無く頬っぺたを摘まんでみたけど痛みは夢ではないと教えてくれる。 「優君は両親がいないんだね。……私も、お母さんがいないんだ」  その言葉は舞い上がっていた僕を引き摺り落とすのに十分な威力があった。 「……え?」
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