僕は友達が少……多い方だ

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「悪の組織?そんなものにどうして入っているの?」 「今から言うのは誰にも言ってはいけない秘密。私は優君を信頼しているから教えるんだよ」  そう前置きされると真剣に対応せざるを得ない。 「実は私のお父さん、悪の組織の中でお偉いさんなの。お父さんの仕事を少しでも和らげる為に無理矢理入らせてもらったけど……やっぱり私みたいな子供だと何も出来ないよ」 「なら僕が代わりにやる」 「え?」  ブランコから飛び降りアリアの目の前に移動する。ブランコは飛び降りた際の影響で独りでに揺れていた。 「アリアはお父さんの為に、なら僕はアリアの為に頑張る」 「気持ちは嬉しいけど止めた方が良いよ。危ないことが沢山あるし、なにより優君に後ろめたいことをさせたくないの」 「関係ない。決めた、僕も悪の組織に入る」  これは僕なりの決意だ。同じ境遇のアリアを守る為に、そして自分自身の為に。悪の組織に入って世界を変えてやる。 「優君……」  だけどアリアは僕の決意に賛同出来ていない様子。顔を少し俯かせながら思い悩んでいるようにも見えたが、長い前髪で俯かれたら表情を隠してしまっているので実際にどんな風になっているかは不明だ。
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