僕は友達が少……多い方だ

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「お願い優君、悪の組織には入らないで。私は優君と普通に接していたいの。それに優君に何かあったらなんて考えたくない」  僕がアリアのことを想っていたようにアリアも僕を心配してくれていた。 「でも……うん、分かった」  渋々、本当に渋々ながらもこの場では僕が折れた。だけど諦めるつもりはない。いつかきっと、悪の組織に入ってやる。 「ありがとう」  お礼と共に微笑みを送るアリア。その時だった。高熱を出した時以上に顔が真っ赤になり突然心臓が高鳴る。こんな感覚初めてで戸惑ってしまう。  中々アリアを直視出来そうにない。どうにかちらり、と頑張って見た。さっきまで気にしていなかったけど間違いなくアリアは美少女。  太陽でより一層美しさが際立つ白銀の髪。日本人にはいないであろう宝石みたいに透き通っているブルーの瞳。そしてまるで人形のように儚げで端正な顔付き。 「……可愛いな」 「えっ?あ、ありがとう?」  ぽつりと漏らした言葉の意味に気付いたのは、アリアが不思議そうになりながらも丁寧に返事をする時だった。  まさか聞かれたとは思わなかったし自分でもどうしてそんなことを言ったのか理解出来なかった。  慌てまくった末に取った行動は、逃げるかのように公園から走って立ち去ることだった。  最後に見えたアリアの顔には、はてなが沢山浮かんでいた気がした。
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