そして僕は決意する……多分

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「先生、それまじですか!?」 「正義の味方の本部に行けるなんて夢みたい」  クラスメートの各々が感想を述べ、みんな嬉しそうに、楽しそうに、社会科見学を心待ちにしていた。それにしても少々喜び過ぎではないのか? 「なぁ、正義。いくらなんでもみんな大袈裟じゃない?そんなに浮かれることなの?」 「俺も良く知らねーよ。だけどやっぱり正義の味方の本部に行けるのは凄いことだろ」  そういうことでいいのか。まぁ、どうでもいいけど。どうせその日は休むつもりだ。何故そんな場所に行かなければならない。面倒だし私情故に行きたくない。 「お前はあまり嬉しそうじゃないな。なんでだ?」 「……やっぱり分かる?」  僕は顔に出やすいタイプなのだろうか。もしそうなら後々(のちのち)苦労しそう。嬉しくない顔をしているのは当然正義の味方の本部に行きたくない為。それを正直に正義(まさよし)に教えるわけにはいかない。 「僕にも色々な事情があるんだよ」  これ以上立ち入った話をするつもりはないので、その意味も含めてため息混じりに手で「止めてくれ」的な感じの合図を送る。そもそも興味がなかったみたいで先生の方へ顔を向ける正義。
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