そして僕は決意する……多分

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 ━━━ということがあった。そんなわけで社会科見学真っ最中。今も言った通り、今から自由時間。  自由時間になる前には勿論本部の内部をクラス毎で一通り見て回った。その理由は全クラスが一ヶ所に集まると効率が悪い。なにより邪魔過ぎる、とのこと。  最先端の科学技術が集結している場所の一つでもある正義の味方の本部。見たことがない武器や理解出来そうもない研究などを公開していた。  流石に企業秘密ということもあって全てを教えてくれることはなかった。精々一部だけど十分に意味があったのはみんなの歓声を聞いていれば分かる。  クラスが別な所為もあり、自由時間になった今も洸と詩織とは合流していない。そもそも合流する約束はしていないがどうしてもあの二人と行動するべきだと思ってしまう。  洸や詩織にもクラス内での友達もいるしそちらを優先する可能性もある。真っ先に自分を優先してしまう身勝手な考えだと自重しなければ。  どっちにしろ僕には関係ない。これ以上本部を探索するつもりはないからだ。それが例え――― 「優介、とりあえず色んな奴誘いに行こうぜ」  友達からの誘いを断ったとしても。 「悪い、正義。なんだか気分が悪いからどこかで休んでいるよ」 「お前が体調悪い?珍しいな。まぁ、お前がそう言うからそうなんだろうけど……なら別な奴と回るか」
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