そして僕は決意する……多分

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じゃあな、と正義と別れた後どこかで休む場所を探すべく歩を進める。もう少しぐらい労ってくれてもいいのにあっさりと別れていきやがった。まぁ、詮索されないで済んだし気にしてはない。 「ん?優介か、探したぞ。正義の奴はどこへ行った?一緒じゃないのか?」  歩いているとばったり鉢合わせた洸と詩織。どうやら僕や正義、多分花梨とかも探していたんだろう。眼鏡を整えながら聞いてきた。 「さっきまで一緒だったんだけど、今は離れて行動しているんだ。多分、正義は花梨とも別だと思うよ」 「何?てっきり同じ行動しているかと思ったんだが読みが外れたな」 「ちょっと気分が優れなくて休む所を探していたんだ。それで正義とは別れたんだ」 「それでなのか。さっき携帯で正義の居場所を確認して、今は向かっている最中だったんだが……何故かその道中でお前と会ってな。それも一人だけだったから不思議だったんだ」  僕と洸の会話に入りたそうにそわそわしている詩織の姿を見つけたので話に入れる。すると――― 「……優介と……回れないの?」  やべ、上目遣い可愛い。……どうしようかな、一緒に行こうかな…………はっ、いかんいかん。初志貫徹を忘れてはいけないのにうっかり破ってしまいそうだ。 「ごめんね詩織。また今度似たような機会があったらみんなで行こう」
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