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「私も、隆史と暮らしたい。毎朝隆史におはようって言って、ブラックのコーヒー煎れてあげたい。毎日毎日、隆史の側で笑っていたい。」
言いながら瞼が熱くなる。
ずっとそう思っていた。
だけど、お母さんの事を考えたらそんな事言えるわけがなかったから。
押し込めてきた思いが一気に溢れだす。
涙が頬を流れるのに気づいて俯こうとしたら、それより早く隆史に抱きしめられた。
「……渚も、我慢してきたんだよな。ずっと頑張ってきたんだ。…もう我慢しなくて良い。俺が一生、側に居るから。」
低い声が耳元で囁く。
まるでプロポーズのような言葉に胸が鳴った。
「すぐにとは言わない。結婚しよう渚。」
…………え?
まるで、ではない。
プロポーズだ。
そう分かった途端にますます涙が溢れた。
「こんなっ…私で良いの?」
「渚が良いんだ。渚じゃなきゃ、こんなに愛したりしない。」
「っ……隆史ぃ…」
隆史の首に腕を回し抱きしめ返す。
「返事は?」
「こちらこそ…よろしくお願いしますっ…!」
笑えるくらい震えた声に、隆史が嬉しそうに笑ってくれた。
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